Masahiro Takahashi @LeapMind

LeapMind の高橋がいろいろ書く予定の場所です。

LM は私の最初の「会社」です。

この記事は、LeapMind Advent Calendar 2019 の21日目の記事です。

 

私は、12/2, 12/4 にも記事を書いているので、そちらもぜひどうぞ。

これらは、過去の遺産を使いまわしてなんとか Get It Done! したものですが、結構面白いですよ (ハードルを上げてどうする・・・)。

今回は、頑張ってゼロから書いていますが、業務の関係で時間が取れず、時刻 00:00 発行とはなりませんでした。無念・・・。

 

今回は需要があるのか無いのか分からないですが、私がどんな感じで LeapMind (LM) に入社したかをつらつら書こうと思います。弊社の某 IT 秀才が、そういう経歴はなかなか無いので興味がある人多いと思いますよ、と言ってくれたので、自分の思い出として記事に残します。社内向けの自己紹介にもなるか。あと、すぐに忘れちゃう初心を思い出すのに後で役立つか・・・?

 

 

概略。

産まれる → 物理に目覚める → AI に対する興味が出てくる → LM に入る (イマココ

 

 

もう少し細かく (飛ばして良い)。

誕生。

私は、198x年11月15日に岡山県の片田舎にて産まれて、、、(略

(一応年齢は伏せとくか。)

 

高校時代に留学したよ。 

高校 2 年生のときに先生の勧めで、ロータリークラブの支援でアメリカの高校に 1 年間留学して、そのときに初めて「物理」の授業を受けました。元々理科と数学が好きでしたが、はっきりと、「知りたいのはこれだ!」とそのとき思いました。物理全般が好きでしたが、特殊相対性理論の説明ビデオ (高校生向け) を授業で見たときに、英語も分からんが、なんか場面によって時間の経過の仕方が違うということを言っていそう、と思い、そんなハズないやろ! と細かく説明を求めたのを覚えています。

 

大学で物理を勉強したよ。

特殊相対性理論は謎のままだったので、大学で勉強しようと思って、受験勉強も間に合わないから (高校 3 年の 8 月帰国)、とりあえず留学を視野に入れつつ、推薦入学枠 (岡山大学理学部物理学科) に応募して、面接で「君、(日本の) 高校で物理習ってないのに、内容分かってるの? ついていけるの?」と圧迫面接並みに詰められながらもなんとか合格。案の定、大学 1 年生で「不可」は無いにしても半分を「可」で終えます。サボって「可」ではなく、努力して「可」なのは、なかなか渋い。最初の授業一週間分を受けた後で泣きそうになったのを覚えています。

ただ、良き友人に恵まれ、必死にやったところ、結局は大学は 3 年で早期卒業しました (早期卒業制度の第一期、理学部の 3 学科で 1 人ずつ)。(ドヤッ

 

物理の研究をしたよ。

大学院の修士課程と博士課程を同大学の数理物理学の理論研究室で過ごして、博士号 (理学) を取りました。博士課程在籍中には、日本学術振興会特別研究員 (DC2) に採用されてここで初めて有給となります。修了後、東京大学理論物理の研究室に 日本学術振興会特別研究員 (PD) のポスドクとして着任しました。ちなみに日本学術振興会の特別研究員の職は若手研究者のアカデミアの登竜門的なものです。その後、1 年間を過ごし、学習院大学理論物理学研究室助教として着任します。

学習院大学では、授業と研究を両方自由にやって楽しみました。

 

(どうでもいい経歴終わり)

 

転職について (本題)。

色々と物理の研究を重ねてきましたが、学習院大学の理学部の助教枠は私の代から任期制が導入されて、任期満了を迎えることになったので、次の進路をどうするか考え始めました。

このまま物理の研究を続けていくか、はたまた・・・?

 

[企業就職]

日本では博士号を取得すると就職が難しくなる、と言われており、実際にその傾向は強くあります。海外では、専門職では博士号を持っていないとまともに話もしてもらえない、という話も聞くので、それとは対照的です。

 

[アカデミック就職]

一方で、大学や研究所といったいわゆるアカデミックなポジションはというと、これも狭き門です。基本的に各ポジションの人員は埋まっており、退職者が出た場合に空いたポジションが公募に出され全国から博士号を取得した有力者が応募してその枠を争います。ポスドク問題 (怖い現実) というものが叫ばれています。

 

そういった中で、どちらかに集中して転職活動をするのはリスクが高いと思ったので、どちらの就職活動もすることにしました。企業就職では、就職斡旋サイトに登録し、アカデミック就職は公募が出たときに、分野にオーバーラップがあればその都度応募する、という形です。

 

自分のやりたいことは何か。

転職活動は自分の今後を考える上で非常に意味がありました。

自分は果たして何をやりたいのか。将来的にどういう状態になっていたいのか。そういうことを真剣に考える良い機会となりました。

 

研究しながら生きていくこと。

研究がやりたいことである場合も、全ての人が自分勝手に「本当にやりたい研究」ばかりができる訳ではありません。私の場合も、結果が出せるレベルでゴールを設定する、ということを多くやっていたように思います。なぜそうするかというと、結果がなければ次の就職も無いからです。基本的に本当に知りたいことは難題過ぎて、手に負えないことばかりです。そこに向けて、またはそこに多少近いことで、かつ自分のこれまでのノウハウが活かせる最大限のテーマを選択して結果を出す。それが大き過ぎる場合には、さらに細かい小さなことでとりあえず結果を出す。とてもマトモですが、結果を気にし過ぎると、アカデミックでは大きなことをやるリスクが高過ぎてとても手が出せません。

また、特に何か人のためにやる訳では無いので、そういうやりがいはありません。特に人に感謝されたい訳では無いですが、人の役に立っていれば多少つまらないことでも意味が見出せると思います。そいういう意味では授業を行うとか指導を行う業務は、多少なりともその人の役に立つように、と思ってやっているのでやりがいがありましたが。

 

最終目標の設定。

就職活動を始めて間もないころ、ある企業のある人事担当の方に本当にやりたいことをやるべきだという説明を面談の場で受けました。その方のこれまでの経歴およびその行動原理を例として説明いただき、あなたはどうですか、と結構親身になってアドバイスをしていただきました。

色々と渡り歩いているけども、最終的には、意思に従って一本の道ができている、そういう風になっていくものですよ、ということも言われました。

 

かなりその言葉は心に響いていて、自分の場合はどうだろうと考え始めました。

私にあるのは、物理、それからなんだ・・・?

一応留学もしたし、英語の論文を読んだり書いたり、国際会議で発表したり、議論したり、、、英語も使えるぞ。

あとは、一番興味があるのは、コンピュータだな。(えっ

 

これまで書きませんでしたが、コンピュータ、プログラミングには昔から興味がありました。その点は経歴と勝手に繋がっていて、物理の研究でも数式を用いた解析もしますが、もっぱら数式をプログラミングに落とし込んで数値計算を行い、様々なパラメーターで物理現象をシミュレートして結論を得る、というような研究スタイルを取っていました。逆にそうでなかったら、研究ももっと早く止めていたかもしれません。

また、学習院大学では、プログラミングが面白いので、学生を集めてゼミも自発的にやっていましたし、研究サーバーの立ち上げと管理も必要に迫られつつも好んでやっていました。

 

当時、最近話題の機械学習にも興味があり、さらに、人間が学習することと機械が学習すること、人間と機械の違い、機械は知的になれるのか、ということまで興味が尽きない状態でした。如何に自発的に学習するコンピュータを作るか、できるのか、というところを個人的には最終的にやりたいんだなぁと思っています (ヤベーやつに写りそうだが)。私は人間も物質、生物も物質、と思っているので、技術的な問題さえクリアすればそういったものもコンピュータで作成可能だと思っています。

 

企業就職の実態は。

アカデミック就職に関しては、今回は触れません。その都度応募で、かつ各募集によりけりなのと、今回は企業就職したので、企業就職の実態についてのみ少し書くことにします (一部アカデミックの人向け)。

実際のところ、上記のように博士号取得者の企業就職は難しいところがある、と感じるところが多々あります。

例えば、ポートフォリオを一通り入力して、あなたにマッチする企業をお知らせ、という機能がありましたが、該当数ゼロなんて表示を返してきます。何度か同じようなマッチングツールを試しましたが、これは全く引っかかりません。

> すみません、現在あなたにマッチする企業はありません。

 

しかし、実際は結構可能性があります。心を折られないように注意してください。

まず、就職斡旋サイトの、エージェントと呼ばれる個別にマッチングをお勧めしてくれる人たちがいます。エージェントからは結構的外れな推薦があることがありますが、中には企業側とこちらの適性をきちんと見極めた推薦があります。エージェント経由で内定までいった会社は私の場合は 2 社でした。一方は、データサイエンティスト枠の優良ベンチャー、もう一方は、新規事業と研究を行う枠の大手でした。

また、就職斡旋サイトの提携業者の中には、博士号取得者専門の斡旋業者がいる場合があり、私はこのケースで紹介してもらった LeapMind (LM) に就職を最終的に決めました。この斡旋業者内には同じようにアカデミック経由の経歴の人がおられ、アカデミックからの企業就職はアピールを正しく行い、理解のある企業を選べば決して難しくないので、自分を安売りしないように、というアドバイスをもらいとても勇気付けられました。このエージェントの紹介からは、LM の他に、もう一社、データサイエンティストおよび講師の枠で大手からの内定をもらいました。

最後に、就職斡旋サイトの登録情報に対して、直接企業側から連絡があったものが 1 件あり、データ解析などをする枠で大手グループ系列のシンクタンクでの内定をもらいました。きちんと登録すれば、ピンポイントで見つけられることもあるようです。

 

アピールのやり方。

ということで、限られた期間の中での就職活動にも関わらず、かなり良い結果を得ることができました。

よく、就活はお見合いだからどんどん出して、とにかく数を打て、と聞くことがありますが、アカデミックからの場合は、専門エージェントに頼むとか、個別のリプライに限って応募するとか、もっとしっかり絞って活動するのがいいと思っています。

 

そして、特に博士号取得者および一般的に気をつけてやるべきアピールがあると思います。

 

一つは、自分がどういった面でその会社で役に立ちそうか、ということを明確に伝えることです。

これは博士号取得者が最も気にすべき点です。企業側の採用者は、多くの場合、良くも悪くもこの点しか見ていません。応募者の経歴には以下に書く点を除いて興味がないです。例えば、私の場合だと、これまでの研究生活で、数学の基礎知識、物理の基礎知識、論理的な思考の方法を身につけているので、新分野においても適用可能である。特に行列の基礎知識、微分積分は常に使っているので、機械学習アルゴリズムの理解も問題なく行える。また、英語を使った業務に関しても問題がないため、調査および社内コミュニケーションも十分に行える。さらに、国際会議での発表や、授業での教鞭をとるなど、伝える練習をしてきたので、物事を分かりやすく伝えることが可能である。

(実際のレベルはこの際問わない。)

 

もう一つは、自分の歩んできた道筋と、将来の道筋を明確に示すことです。

自身で目標を立てて、自立的に進んでいける人物であるかどうかが見られます (一貫性のある説明)。ただそれに加えて、その人の将来設計通りに会社で活躍してもらえそうかどうか、という点が見られます (マッチング)。博士号取得者が採用されないのはこの点が関係してくることが実は多いのではないかと思います。採用側は、この人は博士号を取っているが、この会社の業務および待遇に満足して、お互いにハッピーになれるだろうか、という基準で見ています。ビジョンがしっかり示せないと、採用者がこの観点で判断ができなくなり、分からないので止めておこう、となる可能性があります。ここでしっかりとビジョンを示して、それに大きな隔たりがなければ良いですし、逆に隔たりが大きければ、お互いに不幸なので、むしろ別を当たった方がいいです。

 

実際の行動は。

最終目標 (プログラムでの知的生命体の作成とその理解) は会社ではすぐにできないとしても、最終目標に向かって進むしかないでしょう、せっかく転職するんですから、ということで、上記のエージェントの助けを借りながら、まずは機械学習の知識が身につく企業にあたりました。また、いきなりアカデミックからの企業転職にはハードルが高い可能性があったので、初期はもっと広くプログラミングを主に業務としている企業全般で就職活動を行いました。こちらは最終的には必要なかったですが、色々外の世界を見るのには役に立ちました。

内定を複数もらったので、その都度、目的と、待遇とそのバランスを考えながら、判断をしました。最終的には、機械学習の知識を直接得られる可能性が高いという点を重視して、LM を選びました。

 

実際は。

LM では多くの機械学習、深層学習、さらに最近はそれに付随する様々なタスクを業務で行うので、常にそれらの技術に触れることができます。その点よかったなと思っています。

 

・・・

 

が、ここに関しては、長くなりそうなので、今は諦めて、今度記事に起こしたいと思います。

 

(力尽きた・・・)